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注目のシステム「メルプWEB問診」

最終更新: 2019年5月24日



メディカルベンチャータイムスでは、これから多くのメディカルベンチャー及びスタートアップ企業を、調査し、インタビューを行っていく予定です。


第1弾は、株式会社フリクシーのCEO医師である吉永和貴氏へのインタビュー記事です。

メルプのWEB問診は2018年の初頭のリリースから1年と4カ月で、100件以上のクリニックへの導入が進んでいます。今後、さらなる導入が進んで行き、最終的にはクリニックのWEB問診のマーケットでは最大のシェアを目的としています。


今回は、吉永CEOにここまでの道のりと、そのルーツ及び、今後の問診と外来の未来の姿を語ってもらいました。



医師になった後に経営者として、事業を立ち上げたきっかけから伺えますか?


大学の医学部を出て、初期研修終了後の3年目で内科医師として勤務していた時です。

大学の同期の友人の、夜間診療を手伝っていました。そこでは、電子カルテと紙の問診票を利用していました。非常勤として勤務しながら、問診にいくつかの課題があることに気づきました。一つ目は、紙の問診票は体調が悪い時に書かされることは理にかなっていないと感じました。また、医師の側から見ても事前情報としては十分でなく、問診票をスキャンして、その紙を見て電子カルテに打ち直すことの手間も大変だと感じていました。1患者さんあたり、1分半くらいかかっていました。何とか、問診票から、電子カルテまでを一本化できないかと考えたのがそもそものきっかけです。

2016年の12月に課題を認識し、スタートして2017年の3月にシステムの構築を行いました。約3ヶ月で最初のシステムを開発しました。



どのようにして、システムを考えられたのでしょうか?


診療の際に、医師側では毎回、同じ質問をしています。それを定型化できないかと思いました。

当初は、患者さんの情報量を増やすためにもっと聞き出したいということで問診をチャット形式で質問できないかと思いました。そこで、家に居ながらでも、WEB上で問診ができるというシステムを開発しました。

この時は自分で開発しました。その問診の内容を電子カルテにも転記できるということで今のサービスを立ち上げました。

2017年11月に電子カルテの連携ができました。最初は、電子カルテに連携していなくて、

LINE上での予約と問診がメインでした。

当初は、2017年3月にスタートしましたが、LINEでのみの運営でしたので、なかなか広がりませんでした。また、東京都医師会でも発表させていただく機会がありましたが、LINEのセキュリティのことであまり良い反応は得られませんでした。そこで、LINEをやめて、また、同時に持っていた予約機能も切り離して、WEB上での問診に機能を絞って開発しました。

この切り離しにも6ヶ月くらいかかりました。

それから、2~3か月で、問診内容を電子カルテに飛ばすことが、出来るようになって今の機能が出来ました。ここで2017年の11月になっていました。ここでは、私と、高校からの友人で今の、CTOと一緒に開発をしていました。

現在は、東京都医師会に再度、提案して応援していただいています。


メルプのWEB問診が、他社との違いは、なんだと思いますか?


どの電子カルテでも連携ができるということです。Bluetoothで文字を飛ばすことが出来ます。すぐに設定で出来て、電子カルテに特別なことをしなくても出来ます。

また、追加の機能ですが、利用する医師がWEB問診の内容をカスタマイズできるということです。2018年8月にこちらの機能は追加されました。それまでは問診内容は弊社で設定していましたが、院長が自分で設定出来るようにしました。

さらに、集計機能も追加ました。初診と再診を分けることや、患者さんにアンケートも簡単に取れるようになりました。どのような経緯でこちらのクリニックを知ったかなども集計することができます。例えば、クレジットカード機能が欲しいですか?どのようにしてクリニックを知りましたか?なども聞くことができます。

現在の、最大のメリットは問診のカスタマイズができることと、電子カルテの連携が簡単ということです。

患者さんは、クリニックのホームページに行くだけで、そこからWEB問診が可能になります。そして、そのデータは自動的に電子カルテに取り込まれます。クリニック側の患者さんの処理や症状についての煩雑さが大きく軽減されます。

患者さんは自宅からはクリニックのホームページにアクセスしますが、そうでない場合は、クリニックの待合室で、QRコードを読み取るか、タブレット端末から問診を送信するスタイルです。


現在、機能のアップデートとしては何に取り組まれていますか?


近い将来のアップデートはシェーマを問診で利用できるようにならないかということです。人体図なども皮膚科や整形外科では必要です。加えて、ここには署名機能も追加できます。インフルエンザの承諾の際の署名が出来るように現在開発中です。

また、クリニック向けだけではなくて、病院さん向けの導入も考えています。現在は、ニーズの調査段階ではあります。病院さん向けの電子カルテ会社さんとの共同での作業を行っていく予定です。

それに、多言語対応問診も可能です。中国語、英語は対応しています。今後、言語は増やしていきます。



<メルプWEB問診とは>


患者さんが記入したクリニックの問診内容を、クリニック専用のiPhone/iPadアプリで全ての電子カルテにワンクリックで送信するシステムです。



<メルプ問診の電子カルテ連携の流れ>


患者さんが記入したWEB問診をクリニック専用のiPhone/iPadアプリ「メルプカルテ」を用いて電子カルテに、ワンクリックで送信することができます。

短距離無線回線を用いており、通信は暗号化されているため、安全にデータを連携することができます。(新たな機器の購入は必要ありません)



直近の目標としてはどのようなゴールがありますか?


2019年は、機能より、導入件数を伸ばしていきたいというのが目標です。現在は、約100件のクリニックさんに導入いただいています。また、販売代理店さんの協力の元、今年中に500件以上の導入を目指しています。また、私自身は営業等も行いますが、WEB上でビデオ通話での説明とさせて頂いています。インサイドセールスのスタイルで行っています。しかし、販社さんは最後の設定まで行っていただくスタイルです。弊社はWEB問診では先行していますが、徐々に競合他社も出て来ました。今後は、早く、市場を押さえて、一気に2000件のWEB問診の導入を行うつもりです。


今後の将来についてはどのようなお考えですか?


これからは、この事業を行いつつも、医師としてのスキルアップのことも考えています。

現状は、遠い将来のことはあまり考えてはいません。まずは、現状の問診のシステムを完成形に持っていくこと、そして、次の段階は、医師側のニーズがあれば病名が取れるデータを取ることが重要だと考えています。問診から、診断、病名がつくデータというものはAI時代を考えると価値が出ると考えています。今後、問診の段階である程度の疑わしい病気と推奨検査を出せるようになると、検査漏れを防ぐことで、点数を取りつつ、医師の診断のサポートができるようになると思います。このような話は、社内外の人とのブレーンストーミングを行ってアイデアだしを行っています。


遠い将来については、今は漠然としたことですが、ブレーンマシーンインターフェースなどには興味があります。これは、脳に直接、作用することで、意識しただけで、物理的な動作、テレビをつけたり、作業を行ったりすることができるようになる次世代の技術です。このようなことが実現できるようになることに面白さを感じています。元々、医師志望ですが、大学5~6年の時にプログラムをスタートして、エンジニア気質もあるのかもしれません。


今、振り返ると、中学・高校の先輩と、慶應の医学部の同期が創業メンバーとして今も手伝ってくれていて大変よかったです。また今の創業メンバーとは別で、慶應の医学部の同期で、精神科の医師がいるのですが、彼が、在学中に起業し、誘われて一緒に国家試験アプリの開発、医療系ベンチャーの採用情報の提供を行っていました。その事業は最終的には売却したのですが、彼の影響は大きかったです。

今後は、経営者としても、医師としても両方の面で進めて行きたいです。ただ、会社が軌道に乗ってきたので、今は臨床をしたい気持ちが強いです。

問診からの診療情報のデータベースを集める事業を今後は軌道に乗せることも、一つの目標としています。

吉永先生の印象は大変、正直で誠実な印象です。加えて大変な頭脳明晰さを感じます。経営者としてのタフで強い実行力を見せる反面、患者さんから感謝される医師としての使命感を持つことは、素晴らしい人間性を持ったドクターであると感じました。今後の、活躍が大いに期待できる新進気鋭の若手経営者であり、ドクターです。

(取材・執筆:五十嵐 淳哉)


吉永 和貴 1988年生まれ

鹿児島県出身


ラサール高校卒業後、

慶應義塾大学医学部へ進学

慶応義塾大学病院勤務後、

2017年に株式会社フリクシー設立、

代表取締役に就任


現在は、非常勤医師として勤務する傍ら、株式会社フリクシーで、メルプのWEB問診の開発・改良と全国の医療機関への普及活動を行っている。






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