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画期的な精神・神経疾患の診断マーカーにより患者のQOLに貢献

最終更新: 2019年9月27日



今回は株式会社RESVO 小林宣文代表取締役にインタービューを行いました。

小林代表は、元々、自動車メーカーの技術者でありながら、大学卒業後にシェアハウスを経営するなどユニークな経歴をお持ちです。

共同経営者である大西取締役と株式会社RESVOを創業しました。創業に至る軌跡とこれからのビジョンをお聞きしました。

RESVOは「難病をなくす」というビジョンを掲げ、診断や治療の方法が解明されていない脳神経の病気に対し、最新のバイオテクノロジーを使って診断マーカーを開発して、その治療薬を作ろうとしています。

特に、統合失調症や自閉症といった病気にストレスや末梢免疫が関与している可能性に注目して研究を行っています。



Q1.会社の始まりはどのようなことからでしょうか?

RESVOの始まりは、共同創業者でもあり、大学の先輩でもある大西との出会いです。当時の大西は、国立研究機関の研究者として精神疾患の研究に取り組み、科学者として精神疾患の患者さんに貢献する方法を模索していました。

大西が取り組んでいた研究テーマの一つが、免疫系の異常で発症すると考えられる統合失調症です。精神疾患の中でも特に統合失調症は、詳細な病態メカニズムが解明していないことから、的確な診断が極めて困難だと言われていました。

実はこの頃の私は、トヨタ自動車の関連会社で働く技術者でした。技術畑にいた私を医療の世界へと突き動かしたのは、精神疾患を患う友人と社会復帰に向けて伴走した経験があったからです。

この経験から、社会に出てからも心のどこかで「精神疾患を患い苦しんでいる人たちの社会的な支えになれたら…」と考えていました。

初めて大西と話をした時に特に印象的だったのが、「世の中に困っている人が多い疾患だからこそ、研究者がこの問題に取り組まないといけない」と力説する姿です。ふと、当時の友人の姿を思い出しました。この時、自分が取り組む課題はこれかもしれないと強く感じました。

この出会いをきっかけに、何度も大西と話し合いを重ね、2人で事業を始めようとRESVOがスタートしました。

Q2.小林社長は、どのような経緯で株式会社RESVOの代表になられましたか?

私がRESVOの代表になったのは、バイオベンチャーを成功させるにはビジネスパーソンと研究者が手を組んで事業に取り組む必要があると感じたからです。 学生時代は「起業」という概念は全くなかったものの、社会に出て社内外に関わらず、様々な経験をするうちに「自分の手で事業を起こしたい」という気持ちが芽生えました。その後、マーケティング会社への転職を機にシェアハウス運営等のスモールビジネスを手掛け、事業者としての経験を積んでいこうと思っていました。なぜなら今後の活動に必ず役に立つと考えたからです。


大西との議論を深めるうち、目指す方向性やビジョンとの一致を感じました。同時に何年も研究の前線で活躍してきた彼には、これまで以上に研究に集中してほしいという気持ちを抱いたのです。

そして「事業を加速させるには経営・研究と専門を持つ2人がタッグを組むのが一番」という結論に達しました。こうして私は、代表としてRESVOを創業しました。

Q3.製品開発を行われた理由はございますか? 我々が製品開発に取り組むのは、少しでも患者さんとその周囲でサポートする医療従事者や家族などの負担を減らしたいからです。

職業柄、友人をはじめ、身近な方々から闘病の体験談をよく伺います。その中でも、「自分の体験を糧に、少しでも次の世代を良くして欲しい」と口にされる方は多いです。

我々に期待してくださる方々の気持ちに報いる為にも、RESVOの開発品を1日でも早く皆様にお届けできるよう活動しています。


Q4.主な製品内容・開発・販売の仕組みを説明していただけますか?

現在RESVOが取り組んでいる製品は「精神疾患治療のための層別化を目的とした血液検査キット」「尿検査から出来るメンタルストレスチェック」の2つです。それぞれについて簡単に紹介させていただきます。


1つ目は免疫異常による精神疾患の診断補助・層別化を目的とした血液検査キットです。血中に含まれるFLC(フリーライトチェーン)という物質の測定を通して、免疫異常が原因と考えられる精神疾患の診断補助・治療層別化を行います。

本キットの実用化により、医療現場の負担軽減だけでなく、患者さんにより迅速で適切な治療に繋がると考えています。既に日米で基本技術に関する特許を取得しており、現在は実用化に向けて、臨床研究の準備中です。

血液検査キット

2つ目は尿検査から出来るメンタルストレスチェックです。健康診断と同様に尿を提出して頂き、精神疾患の要因の一つであるストレスが体内に及ぼしている変化を解析する方法です。

このチェックでは、ストレスによって変化する免疫関連物質と酸化ストレスマーカーの2種類に着目しました。これらの物質を測定し、独自のアルゴリズムで解析することで、「ストレスによって、潜在的な負荷を身体が受けているか?」を見える化します。

このメンタルストレスチェックは、「客観的」な変化を知ることができる、「非侵襲」のとても簡単な検査方法です。ストレスで引き起こされる精神疾患の発症予防の一助として日常生活に浸透していってほしいと考えています。現在関連特許を出願し、2020年頃の商品化を目指しています。

ストレスチェック開発中画像

Q5.これまで、どのように資金調達を行っていらっしゃいましたか?

大西も私も初めての創業でしたので、資金調達をはじめ、起業に関する様々な知見を得るため、起業家コミュニティ「Supernova(現在はstarburstに名称を変更)」の門を叩きました。そこで出会った先輩事業家や投資家の皆様からの知識面、経験面様々なバックアップを頂き、約半年ほどで資金調達を完了しました。

我々の主な出資先は、VC(ベンチャー・キャピタル)です。2017年にリアルテックファンド様、ウィルグループ様の2社からシードラウンドで1.1億円の資金調達を行いました。

Q6.今後の目指す方向性、将来像を教えて頂けますか?

私たちが目指すのは、「精神疾患の解決」です。とても大きな課題であるため、我々一社では到底なし得ることはかないません。

現在弊社と共同で研究講座を設置している島根大学様をはじめとした、多方面のパートナーの皆様との共同研究、事業連携を通して活動を広げていくことで、実現に結び付けたいと考えます。


Q7.5~10年後に、RESVOはどのようになりたいですか?

精神疾患を解決する技術を世界の皆様に提供し貢献できている会社でありたいと考えています。現在、RESVOは予防と治療という大きな2つの分野に貢献できる技術を持っています。

1つ目は、既存の治療薬が効きにくい患者さんを層別化し、適切な治療方法に繋げるための技術です。この技術により、開発期間が必要となる新規創薬だけに拘らず、適用が無い薬剤の転用や、機能性食品の活用など、患者さんの負担を軽くできるあらゆる可能性を探り、より良いものを可能な限り早く患者さんに届けられると考えています。

2つ目は、生体物質による客観的なメンタルストレスチェック技術です。精神疾患は一度発症すると治りにくいと言われています。健康診断で測定している血液検査や尿検査のように、精神疾患発症予防に必要な検査を簡単に受けることができ、結果を参考に精神疾患を発症しない生活をおくることができる世の中を作りたいと考えています。

精神疾患は目に見えづらいため、自身もその周囲も発症のリスクを捉えることが難しく予防が難しい疾患とされています。また、一度発症すると完全には治りにくく、一部の患者さんでは薬が合わず副作用が強くでるなど、まだまだ治療法の改善が必要なのが現状です。

だからこそ、検査による予防法と発症した後の適切な治療法を提供できる技術の確立が重要になります。RESVOは、予防と治療の両面に新たな技術を提供し、精神疾患の解決を実現します。

小林代表の印象は、知的であり、なおかつ、自分の使命感を強く持った、経営者の側面を感じました。ビジョンは壮大ですが決して、夢のような話ではなく、特許も取得していることから、地に足がついた経営をされています。これからの飛躍が大いに期待できる企業です。


社名:株式会社RESVO


本社所在:〒143-0016 東京都大田区大森北3-15-5-201


設立年月日:2015年1月23日


代表:代表取締役 小林宣文


事業内容:統合失調症の診断薬と治療薬の開発を目指し、FLC関連事業、研究・開発事業等3つの事業を展開。

近年、免疫障害に由来する統合失調症検査薬開発に必須である血液バイオマーカーの基本特許を日米で取得。






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