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端末側で学習と予測処理を実行する「エッジAI」を開発する株式会社エイシング出澤CEOの登場です。エッジAIとは通常クラウドで行うAIの処理を、エッジで行ってくれます。

更新日:2019年10月24日

メディカルベンチャーネットの、今回のインタービューはエッジAIのスペシャリストであり、なおかつ、起業家としても、12年以上の経験と実績を持つ、Aising、出澤社長へのインタービューを行いました。


出澤社長は、早稲田大学大学院卒業後に、就職が決まっていたのを辞退して、起業されました。そこにあったのは、事業に対する信念、AI研究に対する情熱、家族を守りたいという愛情があったようです。今は、国内の超大手企業との共同研究、大学とのプロジェクトを通して、エッジAIでの先頭を走っています。未来2017での、入賞以来勢いはとどまることを知りません。社員教育、採用もお話されています。AIsing 出澤社長のここまでの経験と実績をお楽しみください。



 

1. 起業のきっかけはどのようなことからでしょうか?


まずは、大学入学した2002年当時はインターシップなどが無かったので、文系学部のベンチャー講座を取り、実際に零細ベンチャーなどでインターンをしました。そこで電話番からビジネスモデルを考えるまでの幅広い業務に触れる中で自分も起業をしてみようと具体的に思うに至り、2004年理工学部2年生の時に早稲田大学のビジネスコンテストに出場したのが最初の起業のきっかけです。そのコンテストで、傘のシェアリングというビジネスアイデアで優勝することが出来ました。傘に広告を載せて個人に無料で貸し出す事業アイデアでした。早稲田発ベンチャーとして大学の施設で1年間事業化に向けてチャレンジしましたが、当時はガラケーの時代で傘の追跡が困難などの複数の課題を解決できなかったため事業化には至りませんでした。

その後、大学3年生になって研究室で、希望していたロボット研究室に進み、AI制御の研究を始めました。卒論研究の中でロボットの個体差を制御する技術を作れないかと考えたのがきっかけで今のビジネスの基礎になっています。

その後、2007年に大学院在籍中に最初の学生起業を行いました。

機械の知能化は間違いなく進むだろうと考え調査をしたところ、ハードウェア制約があるデバイス上で機械の知能化を実現している事例がなかったことから研究をスタートしました。しかしCPUやメモリ性能の観点から事業化に20~30年はかかると考えていましたし、当時は「AI冬の時代」ですのでAIで事業化することは困難でした。そこで、卸売りなどの事業を生業として10年間事業を行ってきました。

最初はAIの会社ということでしたが、ソフトウエア開発の受託から日用雑貨品の卸売りの方に進み、最終的には年商2億円くらいまでになり事業が軌道に乗ったところで、工学修士としての知見を活かそうと立ち返りました。2012年~2013年頃からプラズマ医療機器の開発を始め、そうこうしているうちに第三次AIブームがやってきました。


 

2. 出澤社長様はいつごろから起業を意識していたのですか?またエイシングの設立までの経緯を教えてください。


高校生の時から、起業したいと友人には話していたようです。元々、会社経営の夢は持っていたらしいです。自分では覚えていないのですが。

大学院生の時に就職活動はしましたが結局内定を辞退し、既に学生起業していた会社で事業をゼロからスタートさせました。人生一度きりですしやりたいことはやっておきたい、やって後悔してみようと考えたのと、一度大企業に入社してしまうと守りに入って起業しにくくなるのではないかと考え決断に至りました。実際にやって数年で後悔しましたが(笑)。この最初の会社経営も順風満帆ではなく2012年頃にようやく事業が軌道に乗りました。その利益を元手に医療機器の開発をはじめ、幸い岩手大学との共同研究の話もあり、企業からの依頼もあって、チームで取り組むことが出来るようになりました。2016年に融資実績があってお付き合いもありました三井住友銀行の担当者の方が、日本総合研究所主催の「未来2017」というアクセラレータプログラムに出てみないかとお誘いを受けましてそれからあれよあれよという約6か月間でエイシングをAI研究開発会社として設立することになりました。

 

3. 世間からの注目が集まり始めたきっかけはありましたか?


やはり日本総合研究所さんの「未来2017」が大きなきっかけになりました。未来2017では創業時の資本政策、事業計画の見せ方、チームビルディングなどを受講できたことがありがたかったです。誰に聞いていいものかわからないことですから。二次予選には1000名の前でピッチもさせていただけたことが認知されたきっかけだったと思います。

 

4. 主な商品内容・開発・販売の仕組みを説明していただけますか?


AIアルゴリズムにはいろいろな種類があります。弊社は、アルゴリズムを創り出すことを得意としている会社です。殆どの場合は、大学の研究者が発見して、オープンにして、その後に企業が周辺で特許を取得していくことが多いと思います。弊社では、そのAIアルゴリズムの土台を1つ発明することに成功したので、そこに優位性があります。ディープラーニングは画像認識に向いていますが、弊社は機械制御に適したアルゴリズムです。弊社創業メンバーが、機械工学とAIの両分野に詳しいということで実現できた技術です。

原則として、受託開発は受けていません。基本的には共同開発をして、ライセンスを提供するビジネスモデルです。


 

5. これまでは、どのように資金調達を行っていらっしゃいましたか?


最初は2億円を2017年6月に調達しました。現在は次回調達を検討し始めています。ビジネスモデルも固まってきましたのでさらなる人材補強、研究開発の促進、既存顧客企業との案件拡大を進めていく予定です。

 

6. 今後の目指す方向性、将来像をお知らせ頂けますか?


弊社は、J-Startupにも選出していただいておりますので通過点としてユニコーン企業を目指しています。5年でユニコーン、10年で時価総額1兆円を達成したいと考えています。制御用エッジAIにおける世界一を取りに行くことを考えています。中心となるのはBtoBのビジネスがメインとなります。弊社のAIアルゴリズムが、様々な機器に実装され多くの人に使われるようになることをイメージしています。


 

7. 職場の環境はどうでしょうか?


社員は、業務時間の一部を使って自由な研究ができる制度があります。また、特別な組み込み技術を持った、元大手電機メーカーに勤務していた50~60代の技術者と一緒に、20代の若い技術者に伝承するということもやっています。

 

8. 現在の目標として何を目指していますか?


弊社のAI技術で社会集合知をつくることです。つまり社会全体の効率化の実現です。個別の機器にエッジAIを搭載し、デバイス毎に学習された知見を蓄積して、集合知を構築したいと考えています。これは多くの企業様とコンソーシアムを組まないとできません。それが出来るとデファクトスタンダードになっていく可能性があります。10年以内には、そのような世界を実現したと思っています。


 

9.採用について、一緒に働きたい人物像は?


技術者については、プログラムに自信がある方でAIは知らなくてもOKです。AI技術は入社後にOJTで習得していただきます。技術営業は、コンサルティングと技術分野の両方に興味がある方が理想です。今後、海外メーカーとの仕事も増えてきますので海外で活躍したい方も大歓迎です。また、学歴も関係なしで技術者は実力優先です。理系出身者を中心の採用をしています。

 

出澤 純一

株式会社AIsing 代表取締役CEO

略歴

・2004年12月 学部生時に早稲田大学ビジネスコンテスト「ワセダベンチャーゲート」最優秀賞

・2008年3月 早稲田大学大学院理工学研究科精密機械工学専攻 修士卒業

・卒業後は会社経営と並行しAIアルゴリズムの研究も並行して行う

・2016年12月 株式会社エイシング設立

・2017年3月 SMBCグループ「未来2017」日本総研受賞

・2018年3月 起業家万博2018 総務大臣賞

・2018年8月 大学発ベンチャー表彰2018 経済産業大臣賞


会社概要

会社名 株式会社エイシング AISing Ltd.

設立 2016年12月8日

資本金 1億円

取締役 代表取締役CEO  出澤 純一

取締役 CTO  金 天海

取締役 大場 正利

所在地 東京都港区赤坂6丁目19番45号 赤坂メルクビル1F


AIsingについて

エイシングは、岩手大学発ベンチャーとして2016年に設立されたAIベンチャーです。

エイシングが開発した、自社独自のAIアルゴリズムであるDBT(Deep Binary Tree)は、Deep Learningのような既存のAIアルゴリズムでは不可能だった、エッジでの学習や調整の

いらない逐次学習を可能とした事で、数多くのスタートアップアワードを受賞致しました。

経済産業省の育成プログラムであるJ-Startupにおいて、日本のユニコーン企業(時価総額1,000億円以上の未上場企業)候補92社に選出いただきました。

事業フェーズとしてはこれまでに数億円の調達を完了し、国内・国外の大手企業様とのアライアンス締結を進めており、上場に向けて事業を推進しています。

エイシングはエッジAIのスペシャリストとして、産業に大きな変革をもたらします。

 





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